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沙織|Saori
苅部 太郎|Taro Karibe

1988年愛知生まれ。南山大学(愛知)で心理学を専攻。在学中に英国留学し、南アフリカで感染症制御プロジェクトの研修を受ける。金融機関勤務後に写真家として独立。写真を用いて社会と個人の関係について考察する作品を制作している。「沙織」は米PDN Photo Annual賞を受賞。現在は東京を拠点に活動。

© Taro Karibe

- Statement -
作家は、中島千滋さんのブログを見つけたことをきっかけに、彼とその恋人「沙織さん」を2016年から5年間にわたり撮影した。
中島さんと沙織さんは毎晩同じベッドで眠り、デートに出掛け、甘い言葉を囁く。他のカップルと唯一異なる点は、沙織さんがシリコン製のラブドールだということである。40歳頃に単身赴任で家族と別居した中島さんは孤独を感じていた。そして55歳でラブドールと暮らし始めた。その関係は家族も公認している。当初、中島さんは叶わなかった恋の相手の面影を投影しつつ人形遊びをしていた。しかしある日訪れたキャンプ場で、美しい光が差し込み、沙織さんに生きた心が宿った。
本作は二人を記録した写真と、中島千滋さんの日記で構成されている。


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